Q.安い食パンと高い食パン。その違いって何?
お米の消費金額を上回るほど、ここ数年続くパンブーム。共働きも増え、その手軽さから朝はパン派という人も多いはず。しかし、しっかり見極めないと恐ろしい現状が……。
安いものは添加物を使い、短時間でしっとりふわふわに。
「イーストフード・乳化剤」不使用でも安心は禁物
忙しい朝でも、手軽に食べられるパン。最近は食パン専門店も増え、贈り物にも重宝されるように。
食パンの主な材料は強力粉、ドライイースト、砂糖、バター、牛乳、水、塩。それらを混ぜ合わせ、発酵を繰り返して焼き上げます。
一方で大量生産の安価なパンは、添加物がたくさん。近年、パン酵母の発酵を促す「イーストフード」と柔らかさを保つ「乳化剤」が、体に悪影響というイメージが広がったことで、多くの製造会社が「イーストフード・乳化剤不使用」をうたうように。ですが、実際はその分、別の添加物で補っているといった指摘が上がっています。
生地に弾力を与える「加工でんぷん」は、天然でんぷんを化学的に処理したもので、海外では総量規制や、幼児に与えることを禁じている国も。また、粘りを出すために使う「キサンタンガム」は、とうもろこしなどのでんぷんを食べた遺伝子組み換えの細菌によって発酵させて作るため、安全性に懸念が。さらに、人工油脂のショートニングやファットスプレッドは、動脈硬化を招く危険性の高いトランス脂肪酸を含有している可能性があり、こちらも注意が必要。
安価なパンは指で丸めて押すと油がたっぷりにじみ出てくるのが分かります。体によくない油なので、避けるようにしましょう。
まとめ
- できるだけ避けるもの
- ・イーストフード ・乳化剤 ・加工でんぷん
- ・キサンタンガム ・ファットスプレッド ・ショートニング
プロフィール・執筆
安部 司 さん
1951年、福岡県生まれ。商社在職時、食品添加物を食品メーカーに売るトップセールスマンに。退職後、全国各地で食品添加物の知識を広める講演を行う。著書『食品の裏側-みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社刊)は70万部を突破するベストセラーに。現在は、無添加食品の開発や伝統食品の復興、有機農産物の販売促進に取り組んでいる。