Q.卵は黄身の色が濃いほどおいしくて高品質なんでしょう?
毎日の食卓はもちろん、春の行楽シーズンのお弁当のおかずとしても重宝する卵。
黄身の色が濃いほどおいしいと思いきや、実はひょんな落とし穴が……。
濃い=おいしいわけではありません。
中には添加物の影響を受けているものも。
添加物を配合し、黄身の色を自在に調整
年間を通して安価で栄養価が高いことから、日本の食卓に欠かせない卵。目玉焼きや茶碗蒸し、親子丼と、卵料理を挙げれば数えきれないほど、日本人の卵好きは世界から見ても群を抜いています。
新鮮でおいしい卵と聞くと、赤玉で濃い色の黄身を思い浮かべませんか?実は、それはただの思い込み。黄身の色は、単に飼料であるトウモロコシに含まれるカロテノイド色素によるもので、おいしさや栄養とは関係ありません。なお、赤玉、白玉の違いは鶏の品種であり、こちらもおいしさ、栄養面で差はありません。
しかし、中にはこのような日本人の「濃い黄色信仰」に乗じ、よりおいしそうに見せるため飼料に添加物を加え、色味を調整しているものがあります。飼料メーカーには10段階の黄身の色見本があり、好みの色の黄身を作れるというから驚きです。また、ヨードやビタミンE配合といった栄養面を強化したものも、飼料に添加物が加えられて作られています。
卵を選ぶ基準は、鶏が鶏舎内を自由に歩き回れる「平飼い」や、屋外も行き来できる「放し飼い」で飼育されていること。また、「抗生物質や抗菌剤不使用の飼料で育てた卵」と明記されていると安心。少し高価になりますが、安全面を考慮して選びましょう。
まとめ
- 濃い黄身、赤玉・白玉に惑わされない。
- おいしい卵の目安は「平飼い」「放し飼い」。
プロフィール・執筆
安部 司 さん
1951年、福岡県生まれ。商社在職時、食品添加物を食品メーカーに売るトップセールスマンに。退職後、全国各地で食品添加物の知識を広める講演を行う。著書『食品の裏側-みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社刊)は70万部を突破するベストセラーに。現在は、無添加食品の開発や伝統食品の復興、有機農産物の販売促進に取り組んでいる。