ニッポン長寿食紀行 vol.6「ぬか床」 | JRJオンラインショップ
ニッポン長寿食紀行

元気な乳酸菌が、今日もおいしいぬか床を作ります!

ぬか床千束

お皿一杯に盛られた、色とりどりのぬか漬け。口にすると、野菜の甘味と爽やかな香りがふんわりと広がります。あれ、ぬか漬けってこんなにおいしかったっけ!?

「おいしいでしょ。私が高校生の頃は、学校から帰ると毎日、友達とおしゃべりしながらおやつ代わりに丼1杯食べていたのよ」と笑うのは、福岡県福岡市で〈ぬか床千束〉を営む下田敏子さん。ここ〈千束〉で使っているぬか床は、下田さんがお母さまから受け継いだものです。

「母は、ぬか床発祥の地とされる福岡県北九州市、小倉の出身。江戸時代に小倉を治めていた小笠原公が、籠城の際の非常食としてぬか床を用意しておくことを奨励したために、小倉城下では代々ぬか床を受け継いできたそうです。その由来も、輿入れの際に嫁入り道具の一つとして、朱塗りの樽に入れて床の間に飾ったことから付けられたんですって。今でも小倉周辺には、100年以上もの間、大切にぬか床を受け継いできた家が何軒も残っています。うちのぬか床もその一つ。母にとっては大切な宝物だったんです」

ぬか漬け

お母さまから受け継いだ、大切なぬか床を見せてもらいました。樽を開けると、ふわっと爽やかな香りが漂います。ぬか床というと臭いイメージがあったのですが?

「ぬか床の中には植物性乳酸菌が豊富に含まれています。この乳酸菌が健康に育っているとおいしいぬか漬けが作れるし、ぬか床自体もいい香りがします。うちのぬか床を九州大学の教授が調べたところ、わずか1gのぬか床に10億個もの乳酸菌がいるそうです」

ぬか床に野菜を漬けると乳酸菌の働きによって発酵が始まります。漬け込んだ野菜は、乳酸菌の持つ抗菌作用により保存性が高まるだけでなく、腸内環境を整える善玉菌が入り込みます。さらに、生のまま食べるよりもビタミンB1、B2などの栄養価がアップすることが分かっています。おいしいだけでなく、健康にもいいぬか漬けは、まさに長寿食といえます。

「発酵学者の小泉武夫先生がおっしゃっていますが、『臭いは旨い』ですよね。いつまでも健康でいるためには、昭和30年代のちゃぶ台の食生活に戻るのがいいんじゃないかと思います。みそ汁、漬け物、納豆といった一汁三菜の発酵食こそ、本来の日本の食生活なんです」

次の樽を開けると、表面が白い膜で覆われていました。これって大丈夫なんですか?「初めて見ると、カビだと思ってビックリするでしょ(笑)。これは『産膜酵母(さんまくこうぼ)』と言って、乳酸菌が増え始めた目印なのよ。ぬか床を混ぜずに2~3日置いておくと、自然にできてきます」

実は乳酸菌は酸素が嫌い。つまり混ぜ過ぎて空気を含ませると、乳酸菌が繁殖できなくなってしまうのです。ではどうして、ぬか床は「混ぜないとダメ」と言われているのでしょうか。「『産膜酵母』ができているとき、底の部分には『酪酸菌(らくさんきん)』ができます。この2つは善玉菌の一種なので、食べても無害。ただそのままにしておくと、ぬか床がアルコール臭くなったり、うま味が損なわれてしまいます。そこで、真ん中の乳酸菌がいる部分は崩さないように『産膜酵母』と『酪酸菌』を入れ替えると、うま味や深みに変身するんです。偉い先生方が研究して分かったことを、昔の人は経験から知っていたんですね。母に『この白いカビどうしたらいい?』と聞いたら『入れてええよ』の一言で終わりでしたから(笑)」

先人達の知恵の結晶であるぬか床文化を守るため、下田さんがライフワークとしているのが「ぬか床110番」。元気のないぬか床に悩む人の相談を、無料で受け付けています。「お店にいらっしゃる方だけでなく、全国から相談の電話が毎日のようにかかってきます。その多くは混ぜ過ぎが原因。ぬか床は、あまり手をかけ過ぎないのがコツなんです。ほったらかしっぱなしではいけないんですが、菌の力を信じて見守ることも必要です。子育てと同じですね」

秋は乳酸菌が大好きな季節。健康のため、そして次の世代に日本の食文化を残すために、今こそぬか漬けを始めてみては?

ぬか床の作り方
ぬか床を作る材料
白い産膜酵母
天地返し
ぬか床の空気を抜く
ぬか床110番のカルテ

1.ぬか床を作る材料は、生ぬか、熟成ぬか、昆布だし、塩、唐辛子、ゆず皮、実山椒。米ぬかは、無農薬でそのまま食べても甘くておいしいものを選びましょう。2.ぬか床の表面に白い「産膜酵母」が張ったら、中で乳酸菌が増殖している証し。3.中心部にいる乳酸菌が空気に触れないように、表面の産膜酵母と底の酪酸菌を入れ替えます。これを「天地返し」と呼びます。4.野菜をぬか床に漬けたら、ぬか床の表面をたたいて空気を抜き、なるべく平らにして空気に触れる面積を減らします。5.「ぬか床110番」には何度も相談に来る人も多いため、内容はカルテにして保管しています。

ご注文、ご相談はお気軽に

0120-063-888
受付時間 平日10:00〜17:00
フォームからのお問い合わせ

JRJオンラインショップについて

  • 配送料金について
    20,000円(税込)以上で無料、
    20,000円(税込)未満は880円(沖縄・離島1,430円)、
    代引き手数料330円です。

  • お支払い方法について
    クレジットカード、代金引換をご利用いただけます。

  • 商品の発送について
    2営業日以内に発送となります。

ご利用ガイド