ニッポン長寿食紀行 vol.2 「ひきわり納豆」 | JRJオンラインショップ
ニッポン長寿食紀行

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vol.2 「ひきわり納豆」

ひきわり納豆に秋田県の食材をトッピング。上から時計回りに、刻んだいぶりがっこととんぶり、
シソの実のみそ漬けと削り昆布、甘麹。

エイジングケア成分でネバーギブアップ健康

納豆は、言わずと知れた日本を代表する健康食品の一つです。原料は、大豆と水と納豆菌。製法もシンプルで、良質なタンパク質を豊富に含んだ煮大豆を納豆菌で発酵させるだけ。納豆菌は、稲わらなど自然界に広く存在する枯こ草そう菌きんの一種ですが、大豆とコラボレーションすることで、血栓溶解を促す成分「ナットウキナーゼ」や骨折を予防する「ビタミンK2」を作り出します。さらにもう一つ、2016年、東京工業大学の大隅良典栄誉教授がノーベル賞を受賞した「オートファジー」―体の細胞が自己分解をして、さまざまな病気から体を守る重要な機能―の働きを促す成分「スペルミジン」が大量に含まれていることも分かっています。

ひきわり納豆の種類
〈ヤマダフーズ〉では「ひきわり」のほか、さらに細かくひきわった「きざみ」という種類も。
ひきわりを食べる習慣の少ない地域でも人気で、離乳食としてや、かむ力が弱い人に好評だそう。

予備知識はほどほどにして、早速、納豆を製造する現場に向かいましょう。伺ったのは、夏は「大曲の花火」でにぎわい、冬は豪雪に見舞われる秋田県南部に本社を置く〈ヤマダフーズ〉。古くから独特の納豆文化を育んできた地域を代表する納豆メーカーです。

2月上旬、暴風雪が去った後の穏やかな日和。工場内に入ると、蒸した大豆の優しい香りに包まれます。工場長である伊藤さんに、一粒の大豆が納豆になるまでの工程を案内していただきました。

ここで意外だったことが、二つ。一つは蒸し上がったばかりの大豆の香ばしさ。色みは白っぽくて、食感は栗やピーナッツのようにサックサク。聞けば、「連続蒸煮缶」という〈ヤマダフーズ〉ならではの設備(残念ながら撮影はNG)が色の美しさや食感を実現しているそうです。二つ目の驚きは、発酵させる前に容器に入れるプロセス。ネバネバしたものを容器に詰めるのだと思っていました。でも考えてみれば、発酵後の充填は困難極まりますね(笑)。

〈ヤマダフーズ〉は、回転寿司やホテルなどで使われる業務用納豆の国内シェアナンバー1を誇ります。というのも、一粒を4~8個にひきわり加工された「ひきわり納豆」の技術に長けているから。「流通する以前は、包丁の刃で細かく刻んた『叩き納豆』で巻物などを作っていたそうです。秋田県で栽培されてきた大豆は、もともと粒が大きいものでした。現代では大粒でも柔らかく蒸せますが、昔はその大きさのままでは柔らかくすることができません。そこで先人達が考えた知恵が、石臼で大豆をひきわる方法。豆が4分の1から6分の1程度の大きさに割れるので、昔の煮釜でも柔らかく煮ることができたといわれています」

説明してくれたのは、同社食品開発研究所顧問の新保守さん。「ひきわり納豆は粒納豆と比べて表面積が大きいため、発酵が進みやすく管理がとても難しいのですが、健康成分も多く含みます。皮がなく、消化吸収もいいので、生後7縲怩Wカ月以降からの離乳食に利用されています。また、粒が細かい分、調味料やほかの食材とよくなじみ、アレンジしやすいのも特長でしょう。麺にも絡みやすく、パスタやうどんと合わせてもおいしくいただけます」

納豆汁

ちなみに、全納豆に対するひきわり納豆の消費量は全国平均10%程度。対し、秋田は約40%で全国首位!独特の食文化も発達していて、例えばひきわり納豆に砂糖を混ぜるのもその一つ。「県南は米作に恵まれた地域で、砂糖は豊かさの象徴だったんですね。その名残りだと思います。あと、みそ汁にペースト状にすりつぶしたひきわり納豆を入れた『納豆汁』も、秋田県南では一般的。無病息災を願って、冬のハレの日にいただきます」(新保さん)。

取材後、山菜やきのこがたっぷり入った納豆汁や、秋田の食材をトッピングしたひきわり納豆試食。うまい!ごちそうさまでした。

ひきわり納豆ができるまで
ひきわり加工をした大豆を水に浸す工程
浸漬後の大豆は約2倍の大きさに
連続蒸煮缶で短時間で蒸し上げられたばかりのひきわり大豆
蒸したての大豆は、甘味がしっかりと感じられて、歯応えの残る硬さ
納豆菌を噴霧し、容器へと移していきます。
発酵前に、フィルム、タレ、からしまでを容器詰め。
適温にプログラムされた室内で発酵
包装したら、全国へ出荷されます

1.ひきわり加工をした大豆を水に浸す工程。2.浸漬後の大豆は約2倍の大きさに。3.4.連続蒸煮缶で短時間で蒸し上げられたばかりのひきわり大豆。工場でいただいた蒸したての大豆は、甘味がしっかりと感じられて、歯応えの残る硬さ。5.納豆菌を噴霧し、容器へと移していきます。6.発酵前に、フィルム、タレ、からしまでを容器詰め。タレの甘味や塩分量は地域によって変えているそう。7.適温にプログラムされた室内(むろない)で発酵。8.包装したら、全国へ出荷されます。

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