Q.日本酒やワインって、 値段がピンキリなのはなぜ?
忘年会&新年会シーズン。のんべえならずともつい進んでしまうお酒。あまりに安いものは、大量の添加物や酸味料が含まれている恐れが……。
価格が安すぎるものは、水などで薄め、添加物を加えて「風」に仕上げているからです。
破格のお酒には添加物が。 二日酔いの原因にも……
年末年始、人が集まる機会が増えお酒が進み、二日酔いなんて経験はありませんか? 実は、二日酔いは量はもちろん、添加物が原因ということも。本来、日本酒は白米を蒸してこうじと水を加え、発酵・熟成させて作ります。これが「純米酒」と呼ばれるもの。手間暇がかかるので、当然価格は高くなります。これに対し、「本醸造」は穀類の でんぷん質を原料とした「醸造用アルコール」を加えたもの。ですが、配合量の規制があり、添加物は含みません。注意すべきが、醸造用アルコールも添加物も規制のない「合成清酒」。醸造用アルコールを水で 15 %の濃度に調整するようなものなので、低価格の分、風味を出す添加物がたっぷり。ワインはというと、「国産ワイン」と表記されている大半が海外産の濃縮果汁を輸入し、水で薄めて発酵させたもの。国産ブドウ100%で国内製造されたものは「日本ワイン」と表記されています。また、「酸化防止剤無添加」にも 落とし穴が。これは酸化防止剤として使われる亜硫酸を含まないだけで、加熱殺菌など何らかの処理は行われているはず。亜硫酸は、古代ローマ時代から使われてきた安全性の高いもの。それよりもよほど、保存料や酸味料のほうが負担になると心得ておきましょう。
まとめ
- 日本酒は「純米酒」が安心。
- 低価格の「国産ワイン」には要注意。
プロフィール・執筆
安部 司 さん
1951年、福岡県生まれ。商社在職時、食品添加物を食品メーカーに売るトップセールスマンに。退職後、全国各地で食品添加物の知識を広める講演を行う。著書『食品の裏側-みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社刊)は70万部を突破するベストセラーに。現在は、無添加食品の開発や伝統食品の復興、有機農産物の販売促進に取り組んでいる。