Q.おでんの練り物は安全?
安価な練り物の大半は、外国産の冷凍すり身を
植物性タンパク質で増量。
カサ増しすることで、安価で提供できる
寒くなると食べたくなるアツアツのおでん。
大根や卵、こんにゃくなどの他、だしのうま味を左右する数種の練り物も欠かせない具材の一つです。
ちくわやはんぺんなど魚の練り物は、本来、魚を一匹ずつさばき、すり身にして蒸して作ります。
熟練の職人が、手間暇かけて作る味わいは極上のおいしさ。
ですが、一つ一つの素材にこだわる分、価格は高くなり、大量生産には向かない一級品になってしまいます。
そのため、スーパーに並ぶ魚肉の練り物は、輸入の冷凍すり身を使い、植物性タンパク質でカサ増ししたものが大半。
タンパク質の冷凍変性を防ぐために使うソルビトールや結着性を高めるリン酸塩は、原材料である外国産すり身を加工する段階で使われる添加物なので、表示義務が免除される、いわば隠れ添加物。
私たちが気付くことができないのです。
その他にも、練り物によっては、濃いうま味を作り出し、食べ続けると味覚がまひする恐れのあるタンパク加水分解物や数種の化学調味料で味付けしていたり、着色料や香料を使用したりしているものも。
国産の魚でつなぎを使わずに作った練り物は、魚本来の味が楽しめて、健康面でも安心。 価格は多少高くとも、信頼できる専門店などで購入するようにしましょう。
まとめ
- 植物性タンパク質やタンパク加水分解物入りのものは避ける。
- 安心できる専門店を見つける。
プロフィール・執筆
安部 司 さん
1951年、福岡県生まれ。商社在職時、食品添加物を食品メーカーに売るトップセールスマンに。退職後、全国各地で食品添加物の知識を広める講演を行う。著書『食品の裏側-みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社刊)は70万部を突破するベストセラーに。現在は、無添加食品の開発や伝統食品の復興、有機農産物の販売促進に取り組んでいる。